IR(総合型リゾート)求人で必要とされる語学スキルとは?
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日本初のIR(Integrated Resort:総合型リゾート)運営スタッフに必要な「語学力」についてのリポートです。
「日本語、英語、中国語など言語の種類やコミュニケーションレベルは?」「語学力はIR就職にどのくらい必要なの?」といった疑問にお答えします!
「日本のIR・総合型リゾート事業で必要とされる語学力」について世界の事例やデータをもとにご紹介します。
「日本初のIR事業の運営スタッフとして成長したい!」という志のある方にも、「これから自社サービススタッフをIR事業運営で活躍できる人材に育成したい」という企業のご担当者の方にもお届けしたいコンテンツです!
◇日本のIR市場予測から考える「求められる人材」とは?
IRで求められる人材を考えるには、IRがどのようなマーケットになるかを把握することが近道です。
- IRが開業した際の外国人旅行客集客見込みはどれくらい?
- 日本国内のインバウンドの現状と見込み
- IR求人に求められる語学力
についてご紹介します。
◇IRの外国人旅行客集客効果は数百万人規模
IR誘致に手を挙げている有力自治体のひとつ、大阪府が調査した「統合型リゾート(IR)立地による影響調査」によると、IR開業初年度から開業6年目にさらなる開業施設をオープンした場合の大阪・夢洲地区集客見込み推定値は下記の通りです。
国内旅行者数:約900万人⇒約1500万人
外国人旅行者数:約400万人⇒約700万人
合計旅行者数:約1,300万人⇒約2200万人
このデータは、政府の『観光先進国』への新たな国づくりに向けた「明日の日本を支える観光ビジョン」(2016年3月)などを前提として、夢洲地区への集客見込数を推定して出された数値です。
引用:統合型リゾート(IR)立地による影響調査 大阪府・平成28年度
「明日の日本を支える観光ビジョン」で算出した「訪日外国人旅行者数目標4000万人」は新型コロナウイルスの影響で達成は難しい環境にあるものの、決して非現実的ではなく増加して推移していた「実績」があるデータと言えるでしょう。
つまり、あと数年後に迫る「IR開業」の際には、「2005年・2006年ごろの日本全体の外国人旅行者数」が「大阪・夢洲地区エリアだけに」訪れることになります。さらに、国内旅行者を合わせれば、年間3255万人(※2019年)を集める東京ディズニーランド・東京ディズニーシーに次ぐ観光施設となる可能性もあるのです。
◇「観光立国日本」インバウンドの現状とこれから
外国人旅行客誘致の大きな柱となるIRが存在しない現状でも、すでに「観光立国」としての地位を確立しつつある日本。多くの国と地域から旅行客が集まっています。人数の多さから、「中国語」という印象を受けますが、今後ビザ発給の緩和や東南アジア諸国の旅行熱の高まりを考えると、タイ語・ヒンディー語などのへの対応も期待されます。
【2020年1月・訪日外客数における各国・地域別内訳】
- 中国…924800人
- 台湾…451200人
- 韓国…316800人
- 香港…154292人
- 米国…117300人
- タイ…112500人
引用:日本の観光統計データ 日本政府観光局
そのほか、アジア近隣諸国(マカオ、シンガポール、フィリピン、韓国)に先行して開業しているIRが外国人誘客のライバルとなります。エアラインの拡充や空港へのアクセスの便利さなどの諸条件も「どの国からより観光客を多く呼び込むか」に影響します。エアラインの就航状況は最新情報を常に確認しておきましょう。
◇世界のIRの求人から考える「必要な語学力」
IRの「雇用」にはルールがあり、「地域の雇用を生み出すこと」が一つの重要なミッションになっています。つまり、「世界のどこかから、経験があり語学に堪能なスタッフを集めればいい」というものではありません。さらに、IRが必要とするポジションは多岐に渡ります。すべてのポジションに一律に語学力を要件とするわけではありません。
例えば、日本のIR集客のライバルになるマカオ・コタイ地区のIR運営事業者のひとつ、Sands China Ltd.(サンズ・チャイナ社)の求人を参考にしてみましょう。
雇用数も多く、質の高いサービスを求められるFood & Beverage(料飲部門)のフルタイム勤務ManagerポジションのPosition Requirements(応募要件)には「英語・広東語・北京語に堪能」という語学に関する要件があります。ところが、同じFood & Beverage(料飲部門)のフルタイム勤務でもServerポジションであれば「広東語・北京語に堪能」のみです。
職域、職種、キャリアステップなどに応じたきめ細かい要件設定が必要です。
◇数万人の雇用が予想されるIRで「人財」の鍵となる語学力
大阪府市は2019年12月、IR事業者の募集要項を公表し、公募手続きをスタートさせています。全面開業予定は2025年~2027年3月末と幅があるものの、わずか数年で、日本国内にさらなる外国人観光客を呼び込むIRの巨大マーケットが誕生する計画がすでに進行しているのです。
「早ければ5年」のうちに、その巨大マーケットに対応できる人材を揃えなければならないことを意味しています。大阪市だけの試算でも、約3.2万人の雇用創出を見込んでいます。
「日本に期待されるおもてなしと、世界基準のサービス提供」を同時にかなえるための基礎的なスキルである語学力。
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